心臓病を患っていると血が逆流して血栓が出来やすくなり動脈で詰まりやすくなります。血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)といいます。
この病気にかかる猫は必ず重篤な基礎心疾患があると言われています。
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どのような症状が現れるか
血栓が後ろ足根元の血管(大動脈の3分岐)に詰まると、後ろ足や尻尾に激しい痛みと
麻痺を引き起こします。瞳孔が開き、鳴いたり唸ったりと痛みを訴え普段と違う様子なので近くにいれば異変にすぐに気が付きます。
後ろ足が麻痺するため力を入れることが出来ず、立てなくなり、また血流が遮断されるため脈拍の欠如、後ろ足は冷たくなり血色も悪くなります。体全体の体温も低下します。
また他の部位で血栓が詰まると腎臓や消化器官、脳を含めて他の器官にも影響を及ぼすことがあります。
血栓塞栓症の治療は緊急性が高いため、疑われる場合はすぐに病院に行きましょう。
予後は警戒を要します。約50%の猫が生き延び、病院を受診したあと24~72時間から着実に四肢機能の改善が見られます。この時に改善が見られない猫の予後は重大です。
生き延びた猫でも再発の危険性があるので通院は必要となります。
我が家の治療ケースについて
コトラがこの病気にかかったのは9月でしたが、本当に何の前触れもありませんでした。発症したその日の夜、歩き回ったり、ウゥゥと唸っていたりいつもと違いソワソワしていました。
おかしいと様子を見ていたら瞳孔が開き、「ギャアアアアアア」と大きな鳴き声を上げて後ろ足がたたなくなりました。
足を触ると痛がり、冷たく肉球の色が紫になっていました。
病院での処置は点滴をすることで血を薄くし、血栓を溶かす注射を時々打ってもらいました。基本は血栓を出来にくくするための飲み薬を服用することになります。
コトラは飲み薬に加えて、1か月は毎日点滴に連れて行きました。その後週2回に回数を減らし、現在は落ち着いているので通院は休止し薬を毎日飲んでいます。
血液検査をしてもらったとき、腎臓の数値も悪化していました。しかし通院を続け2回目の検査をした時、数値が改善していたので血栓が詰まったことによる数値の悪化だったようです。
足についてですが、左足に麻痺が残りました。少しずつ歩くスピードは速くなってきましたが、左足がペタッと床についています。これ以上の改善は無理そうですが、生活に支障はありません。
心臓病有無の検査は血液検査で出来ます
前回の記事にも書きましたが、現在は病院で猫エイズ・猫白血病の検査をするように、心臓病の有無を検査するキットがあります。血液を採取してキットの上に垂らし時間をおくと結果がわかります。
参考文献:猫の疾病ーインフォムド・コンセントのためにー